トイレの水が流せない! 断水時に自分でできる流し方

水周りトラブル解決

断水時でも必要なトイレ。何らかの原因でトイレの水が流せなくなった時、対処方法を知らなければ困ってしまうでしょう。この記事では、断水時にトイレを使用するための方法や、使用上の注意点を解説します。

トイレが使えなくなる状況とは

断水とは、水の供給が止まることを指しています。断水の原因は様々ですが、自然災害や水不足による給水制限などが考えられます。トイレの水は上水であり、断水が発生した際には使用することができません。

2011年に発生した東日本大地震では、地震によって倒壊したライフラインが仮復旧するまでに、最大で数ヶ月を要しています。日本トイレ研究所の調査では、地震後の上水と下水道の仮復旧には、約1ヶ月が費やされたと報告されています。

断水により水が使用できなくなる事態は、珍しいことではありません。いざという時のために、断水時のトイレ使用について正しい理解が必要です。

トイレは手動でも流すことができる

通常の水洗トイレは、本体のタンク内に水が溜められています(最近ではタンクを使用せず、直接上水を利用するタイプもある)。排水時には、水が流れる勢いを利用して汚水を押し流します。このような排水方法では、内部からの水の供給が必要不可欠となります。

しかし、断水によって上水の供給が止まった場合でも、外部から水を流し込むことで汚水を処理することが可能です。

断水時におけるトイレの使用方法

使用方法はとても単純です。便器内に水を流し込むだけで完了します。事前に、水をいれる道具(バケツなど)を準備しましょう。

【具体的な手順】

  • トイレ内の壁や床を養生する(水を流し込む際の飛沫防止対策。新聞紙や雑巾が便利)
  • 電源を落とす(ウォシュレットやタンクレストイレの場合には、コンセントを抜く)
  • バケツ内の水を便器の中に流し込む(平均すると5L程度の水が必要。数回に分けて勢いよく流し込む)
  • 便器内の汚水を流し切ったら、通常時の水位まで水を補充する(下水道内の悪臭を遮断するための、封水の役目を担う)

手動で流す場合の注意点

タンク内への加水はしない

背面にタンクが完備されているトイレでは、タンク内への加水は推奨されていません。

タンク内の水だけでは水量が足りず、汚水を処理しきれないためです。また、トイレ本体には様々な精密機器が使用されています。手動による補水が原因となり、故障や動作不良を引き起こす危険性も指摘されています。

残り水を使用しない

浴槽の残り湯など、不純物が混じっている水を使用することは控えましょう。水と共に便器に流れた不純物が、トイレの排水管内部でつまってしまう可能性があります。

下水道や配管が使用できない時は流せない

災害などによる断水の際には、汚水が流れる下水道が被災している可能性があります。下水道や配管に破損や機能障害がある場合、水を流すことはできません。不安や違和感がある時には、手動による排水は避けましょう。

無理やり流すことの危険性

下水道や排水管に損傷があるにも関わらず、手動で水を流してしまうとどうなるのでしょうか。

便器からの逆流現象

配管の破損や損傷により、内部で汚水が詰まることがあります。詰まりを放置したまま利用し続けることで、行き場を失った汚水が逆流してくる危険があります。

集合住宅では、上階から流された汚水が、下階のトイレを汚してしまった事例も存在します。手動で水を流す際には、事前に下水道や配管の状況を把握しなければなりません。

水が流れるようになったら

断水が解除された後、すぐにトイレを使用してはいけません。エアーハンマー現象に注意しましょう。

エアーハンマー現象

・給水管内に空気が溜まることによって発生する衝撃。上水による水圧で管内の空気が圧縮され、行き場を失った空気により配管やトイレ内部が破損する現象。

エアーハンマー現象を防ぐためには、溜まった空気を逃す必要があります。トイレ内にエア抜きバルブが設置されている場合には、使用前に空気を抜きましょう。トイレ内にバルブが見当たらない時は、台所や洗面所にあるバルブを開き空気を抜きます。

手動でも使用できない時には

下水道が破損していたり、使用できる水の確保が難しい場合、トイレを使用することはできません。そのような時には以下の方法が便利です。

簡易トイレ

携帯可能な組み立て式の小型トイレです。簡易的な便座や、排泄物を処理するための凝固剤などがセットになっています。

携帯トイレ

簡易トイレと異なり、組み立てが必要ありません。その場で使用できるタイプや、便座に被せて使用するタイプが市販されています。

仮設トイレ

災害時などに、一時的に設置されるトイレです。自宅のトイレが使用できない時には、重要な選択肢の一つとなります。

マンホールトイレ

公共の道路や空き地に設置されているマンホールの中には、有事の際に災害用トイレとして使用できるタイプがあります。便器や仕切りを整備することで、トイレとして利用可能です。具体的な設備状況は、各市町村により異なります。

まとめ

トイレの水は手動で流すことができます。ただし、安易な処理は危険です。状況を的確に見極め、最も安全で適切な選択を心がけましょう。